公式が全く設定を出してない今だから書ける好き放題設定捏造作文!
とりあえず、適当に妄想してみました。
玄武は紫龍と春麗に拾われた孤児で、貴鬼とは同い年妄想。
紫龍春麗20歳、貴鬼と玄武14歳位な感じで。妄想に付き合ってやる!な方は
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第一印象は最悪だった。
「お前が玄武っていうやつ?ふうん…紫龍が言ってた子供ってお前のことか。」
なんだこのチビ。
それが俺が貴鬼と出会って最初に抱いた感想だった。細くてひょろっこい身体。一度見たら忘れられそうにもない印象的な額の…眉?猫みたいなアーモンド型の目が、俺の全身を観察するように下から上に移動して俺を値踏みしてることにカチンときた。
「…紫龍が面白い奴がいるからって言うから来たけど、なんかすっごい普通だな、お前。」
「…なんだお前?どこから来たんだ?名前は?なんで紫龍のこと知ってるんだ?」
「紫龍から聞いてないの?…ふうん、じゃあおいらも教えてやらない。紫龍に聞けば?」
生意気なガキは、そう言って頭の後ろで両手を組んだ。
怪しい奴。
俺は、この小生意気なガキを一目で嫌いになることを決めた。あの人のことを、紫龍、と呼び捨てにするこいつは一体何者なんだ?そう呼んでいいのは、彼の奥さんである春麗と俺だけだ。
とにかくこの怪しい奴をとっ捕まえて、あの人の所へ連れて行こう。
修行で鍛えた動きの素早さに、俺は自信があった。この間合いならば、確実にあの腕を捕らえられる。体格的に見積もって、捕まえてしまえば俺が有利なことは組み合わなくても分かった。
「お?何?おいらとやろうっての?へえ…面白いじゃん!相手してやるよ、ガキ。」
「どっちがガキだ。お前、紫龍の周りを最近嗅ぎまわってる怪しい連中の仲間か?捕まえて吐かせてやる…。」
俺の言葉に、小生意気な目の前の子供の眉がぴくりと動いた。全く変な眉だ。そう思いながら、俺は助走も付けずに素早く移動し子供の腕を掴んだ。
「?!」
「へへーんだ。そんな鈍い動きじゃぁ、おいらは捕まらないよーだ。」
掴む感触の直前、突然消えたように俺の手は空を掴んだ。何が起こったのか分からなかった。
「なんだお前は…?」
「捕まえるんじゃなかったのかよ、ほら、おいらはここだよー。」
消えた身体は、一瞬後に俺の真後ろに移動していた。悪戯をする子供のような目が、可笑しそうに俺をからかっているのを見て、俺の頭に血が上った。
「こんの、ガキ…!」
「あははっ、そうこなくっちゃ!ほらほら、紫龍んちまでにおいらを捕まえることが出来たら、おいらなんでも言うこときいてやるよ!」
絶対にそんなこと無理に決まってるけど。
そう言わんばかりに自信満々に言った猫目に向かって、俺は再び拳を振り下ろした。だが、俺の拳が奴の急所を捉える前に、その身体は残像を残して消えてしまうのだ。
半刻もそうしてそいつを追いかけた挙句、俺はとうとう一度もそいつを捕まえることが出来ないままに元いた場所へと戻ってしまっていた。
「あっはは、お前の負け!全然ダメじゃん、お前本当に紫龍と修行してるのか?」
そう言って滝の前でふんぞり返ったガキに、言い返す体力はその時の俺には残ってなかった。背中に背負った拾った薪や栗が重かったのもあるが、正直この子供を一度も捕まえられなかった自分に本気でショックを受けていた。
子供は可笑しそうに笑っていたが、後ろから近づくあの人には全然気づいてなかったみたいだ。俺は言葉もなく、全く気配を消してあの人が、子供の襟首を掴みあげるのを見ていた。
「こら、久しぶりだっていうのに、行儀がなってないな…?」
何故自分が捕まったのか分からないというようにぽかんとしていた子供が、その手の行く先を見ようと振り返って、本当の子供みたいに無邪気に破顔するのを俺は少し離れたところから見ていた。
「紫龍…!!わあぁ、久しぶりーーー!!!」
子供はまた瞬間消えて、次に現れた時にはまるで猿の子かなにかみたいにあの人に飛びついて抱きついていた。
「元気にしてたか?全然顔を見せないから…心配してたんだぞ、貴鬼。」
貴鬼。
それがこの子供の名前だと、俺はその時初めて知った。そして、普段喜怒哀楽をあまり表に出さないこの人が、心から嬉しそうな表情を見せることに少しショックを受けてもいた。
突然現れた闖入者が俺の存在なんて忘れてしまったように紫龍に抱きついて久しぶりの再会を喜んでいる。その空気に入り込めない俺に気づいたのは、あの人だった。
「貴鬼、あっちで春麗が待ってる。お前が来るって聞いて、今日は美味い物を作るって朝から張り切ってたぞ。行っておあげ。」
「うん、紫龍!」
言うが早いか、子供は魔法のように姿を消した。俺は、その姿を呆然と見ているだけだった。この人…紫龍は、俺を振り返ってその澄んだ、廬山の滝の底のように静かな目で俺に語りかけた。
「玄武、山で貴鬼と会ったのか?」
「は…はい。さっき、突然現れて…。」
俺は、先ほどの顛末をこの人に話して聞かせた。山で突然現れたと思ったら、バカにして捕まえてみろと挑発してきたこと。突然消えたり、怪しい術を使ったりすること。
一体あなたと、どんな関係が?それが俺の今一番知りたいことだった。紫龍はそんな俺の心を見透かしたように頷くと、優しく落ち着いた声で「おいで、玄武。」とその長身を翻した。
紫龍の後を付いて行くと、さっきの小猿は紫龍の奥さん、春麗にまで馴れ馴れしく抱きついている有様だった。俺は流石に唖然とした。
「春麗、赤ちゃんが出来たって本当だったんだね!お腹がぽっこりしてる…!」
「貴鬼、来てくれてありがとう。紫龍も、本当に喜んでるのよ。遠慮しないで、好きなだけ泊まっていってね。」
裏表のない、心からの春麗の言葉は弾んでいて、紫龍の奥さんになったこの人が、この子供の来訪を本当に待ち望んでいたんだということを、俺は悟らざるを得なかった。
「春麗、ありがとう。おいら、早く紫龍と春麗の赤ちゃんに会いたいな…!ねえ、触ってもいい?」
頬を赤く染めて、子供…貴鬼は春麗のお腹にそっと手を触れた。
「男の子かな?女の子かな?」
「さあ…まだ分からないわ。でも、どっちでもいいの、元気で生まれてくれれば。」
楽しそうに盛り上がる二人に近づくと、紫龍はそっと春麗の肩に手を置いた。
「風が出てきた、春麗。中に入ろう。風邪を引いたら大変だ。」
「ええ、紫龍。さ、貴鬼も。…玄武もいらっしゃい。薪を拾ってきてくれたのね、いつもありがとう。」
少女のようににっこりと微笑んで、春麗は俺を手招きしてくれた。
俺はこの優しい春麗と、紫龍が大好きだった。孤児で、二束三文で奴隷のように売られた先で酷い目にあった俺を助けてくれた恩人。行く当てもない俺を、ここに連れてきてくれたのは、紫龍だった。汚いぼろを纏った俺を洗ってくれて、古いけど綺麗に洗濯された服と、温かい食事をくれたのは春麗だった。
いつまでもここにいていいのよ、と春麗は言った。紫龍も言葉ではなく、その纏う空気でそれを肯定してくれた。そうしてその言葉に甘えて、俺はもうここに2年も住んでいる。
普段、誰も訪れることのない廬山はとても山奥で、二人のほかに誰とも会わずに暮らしていたから、突然現れた子供は、俺にとってはちょっとした事件だった。もうずっと三人で暮らしていけるような、そんな幻想を抱いている矢先だったから、紫龍と春麗には俺の知らない世界があったんだ、と思うだけでもそれはちょっとショックでもあった。
春麗は、丁寧に入れた自家製のお茶を、古い茶碗に入れて出してくれた。俺は慣れているけれど、その子供が一口口をつけて渋い顔をするのを、俺はじっと観察していた。
「春麗…これ苦い。おいら、苦いの嫌い。」
「ふふ、苦いけど、これはとっても身体にいいのよ?すぐに慣れて美味しくなるから、我慢して飲んでね、貴鬼。」
「…うん…。」
貴鬼は、春麗には随分従順みたいだ。歳の離れた姉を慕う弟みたいに。春麗の貴鬼に対する態度もまさに弟に対するそれだった。
「貴鬼、山の中で玄武に悪戯したんだって?びっくりしたみたいだぞ。初対面なのに、駄目じゃないか。」
「だーって、紫龍が自ら鍛えてる奴がいるっていうからさ、早く一目見たいって思ったんだもん。山の中でうっすら小宇宙感じたから、辿っていったんだよ。そしたら、こいつがいたってわけさ。」
「こいつって言い方はないだろう貴鬼。玄武はお前と同い年だ、仲良くしなさい。」
たしなめるような紫龍の言葉に、貴鬼はちらりと俺に視線を送って寄越した。流石に先刻の一連の出来事からして、何もなかったような顔は出来ないということは分かっているらしい。
「おいらはいいけど…玄武は嫌なんじゃない?おいら、随分からかっちゃったし。」
当然だ。突然現れて、失礼な態度をとった子供に仲良くしてやる義理は、俺にはなかった。しかし、俺は出来る限り慇懃に、丁寧に言ってやった。紫龍と春麗の前だったから。
「話は分かりました。二人の客人ということなら、どうぞ、何日でも。俺も居候の身ですから。でも、俺に友人は必要ありません。」
きっぱりと、拒否してみせた。
春麗は目をぱちくりとさせ、紫龍が気づかれないように溜息をついたのが、ほんの少しの肩の上下でそれと知れた。
「まあ、貴鬼は暫くここにいることになるから…玄武、面倒を見てやってくれ。」
それ以上は紫龍は何も言わなかった。俺は、紫龍の言うことには絶対に逆らわない。この人は俺にとって絶対だった。だから「はい。」とだけ答えた。うん、と穏やかで優しい目が頷いて、俺の肩に何気なく乗せられた手が、「頼むよ。」とでも言いたげに撫でたのが…嬉しかった。
それが、貴鬼と俺の出会いの日だった。
以上、妄想でした。公式設定が出るのを待ちきれなかった。反省はしていません。
これが出会いで玄武と貴鬼は腐れ縁。玄武は紫龍を好きになってしまう…っていう
腐妄想を一日で繰り広げました。おつかれ自分。
[4回]